肩と肘では症状も分かれており、肩の場合は肩を安定させるインナーマッスルの炎症、損傷である肩板炎、肩板損傷、上腕骨と肩甲骨の間にあるインナーマッスルなどの組織がオーバーユースなどで隙間が狭くなり挟まれ痛みが出るインピンジメント症候群、肩の軟骨のような組織が繰り返しのストレスや外力などで損傷する関節唇損傷があります。肘の場合は肘の内側にある靭帯が繰り返しの動作、筋肉の硬さから負担がかかる内側側副靱帯損傷、成長中の骨が投球動作で肘の外側に負担がかかり軟骨が炎症する離断性骨軟骨炎、肘の筋肉、腱が炎症する内側上顆炎があります。

野球肩の場合は初期症状は投球後に軽い違和感、疲れが取れづらい状態から進行すると投球時にズキっと痛みが出たり、球速、コントロールの低下、寝ている時に痛みが出る、可動域が狭くなり腕が上げづらくなります。大まかに説明すると肩を上げる筋肉が炎症、損傷している場合は肩板炎、損傷、骨と腱がぶつかって痛みが出るとインピンジメント症候群、投球時の軟骨へのストレスは関節唇損傷になります。肘の場合は初期症状は投球後に内側、外側に違和感、鈍痛がします。曲げ伸ばしする際に痛みが出ます。進行すると肘が完全に伸びない、曲げられない、痛みが出る、ゴリゴリするなどの症状が見られます。他にも投球時に痛みが出ると内側に痛みが出る内側側副靱帯損傷、内側上顆炎、外側に痛みが出る、関節が引っかかる感じがする離断性骨軟骨炎などがあります。

その他の原因として肩肘関節にかかる筋肉の筋力バランスの悪さからくる負担があります。体幹、下半身の筋力バランスから下半身をうまく使えないと腕や肩だけで投げようとしてしまい負担が増加します。また柔軟性が低下していると可動域の低下や代償動作で負担がきます。フォームの問題も影響します。腕だけで投げる、肘が下がる、身体のひらきが早い、フォロースルーが短いと肩や肘に負担がきます。またオーバーユースも原因になります。1試合の投球数が多い、試合のスパンが短いなど、完全に回復ができないままプレーをすると筋肉、靭帯、関節に支障をきたします。

野球肩、肘を放置していると、痛みの慢性化につながり最悪の場合は手術をしなければならない場合やプレーを続けることができなくなります。初期段階だと、投げた後に痛んだり、少し休めば軽減するところが炎症が長引くと常に痛む慢性的な症状になります。肩板損傷は放置したままだと断裂する恐れもあります。痛みのせいで自由に動かせなくなりボールを強く投げられない身体になりかねません。肘の靱帯が損傷してしまうと手術が必要になり約1年プレーができない可能性もあります。学生だとなかなかコーチや監督に言いづらいなど環境でプレーを続ける選手がいますが、毎日過酷な練習をしているので最低でも自分でしっかりケアをしないとプレーを続けられない、引退しても日常生活に支障をきたすこともあります。

当院の施術方法ではまず試合、練習で溜まった疲労、硬くなった筋肉をほぐすために指圧の施術で筋肉をほぐしていきます。遠赤外線の施術で患部を温めて血行を良くし筋肉の硬さをとっていく施術を行います。また当院の自費のメニューでは硬くなった筋肉をほぐす上半身、下半身のストレッチをはじめ、姿勢の悪さからくる投球フォームなどで身体の歪みを矯正して正しい骨格にする骨格矯正、背中、肩甲骨周りの筋肉をほぐして肩甲骨を動かしやすくする肩甲骨剥がし、溜まった疲労物質を流すために血流促進のクリームを使ったマッサージなど数多くのアプローチをすることができます。

これらの症状を軽減していくには筋力の向上、筋力バランスの調整、柔軟性の向上、投球フォームの修正、完全な休息が必要になります。まず痛みが出た場合は安静、アイシングで患部の炎症を抑えます。痛みが落ち着いたらストレッチ、インナーマッスル、下半身の筋力強化を行います。軽減しない場合はフォームの修正、腕だけで投げない、肘を下げずに投げる、フォロースルーを意識する、投球回数を制限するなどを行います。そして必ず投球後にストレッチ、マッサージなどのケアを行いましょう。これらを普段から意識することで再発予防、症状の軽減が期待できます。